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子供向け教育講座を世界へ。最初にすることは「国探し」ではない

本日午前は、
女性起業家の方が代表理事を務める
協会との世界戦略ミーティングでした。

今回のテーマは、
その代表理事の方がつくった子供向け教育講座の海外進出。

「子供への教育熱が高い国へ、
 このコンテンツを持っていきたい」
というご相談でした。

世界には、
子供の教育にかなりお金をかける国や地域があります。

では、
「教育熱の高い国を調べて、そこで集客しましょう!」
となるかというと、
今回、私が提案したのは別の方法でした。

「海外ですでに子供や保護者を抱えている
 教育事業者と組めませんか?」
という話でした。

ここから今回の世界戦略ミーティングは、
かなり面白い方向へ広がっていきました。

海外の保護者を一人ずつ集客する必要はない

子供向け教育講座を海外へ展開する場合、
最初に考えやすいのがBtoCです。

講座を海外向けにして、
SNSや広告などで現地の保護者を集客する。

もちろん、この方法もあります。

でも考えてみてください。

日本から広告を出して、
知らない国で、
知らない日本人が、
まだ知られていない教育講座を、
一人ずつ現地の保護者に販売していく。

それなりの時間とコストがかかります。

特に子供の教育は、
保護者からの「信用」が非常に重要です。

自分の子供に受けさせる教育ですから、
単に広告を見て面白そうだったから申し込む、
という商品ばかりではありません。

だったら、
その信用をゼロからつくる以外の方法も考えられます。

すでに現地で信用を持っている教育事業者と組む

今回、
私が一つの可能性として出したのが、
現地の教育事業者との提携です。

例えば、
幼児教育スクール。

インターナショナルスクール。

習い事教室。

子供向け教育サービスを運営している会社。

教育関連のコミュニティや団体。

こうしたところには、すでに教室があります。

先生もいます。

そして何より、
子供と保護者との関係があります。

そこへ、
「日本でつくられたこの教育プログラムを、
 あなたのところで導入しませんか?」
と持っていく。

すると事業モデルそのものが変わります。

日本から海外の保護者一人ひとりに
講座を販売するBtoCだけではなく、
現地の教育事業者にプログラムを導入してもらう
BtoBという選択肢が生まれます。

「講座を輸出する」から「教育プログラムを導入する」へ

さらに話を広げると、
講座を提供するだけで終わらせる必要もありません。

現地の先生に、この教育方法を教える。

講師として育成する。

一定の基準を満たした人を認定する。

認定された講師が、
自分たちの国で子供たちに教える。

さらに、
その講師を育成できる上位講師をつくる。

ここまでつくり上げることができれば、
「日本のオンライン講座を海外へ販売する」
というビジネスではなくなります。

「日本で生まれた教育プログラムを、
 海外の教育現場へ導入する」
という事業になります。

私は今回、
こちらの方が代表理事の方や協会の
理念にも合っていると判断しました。

目指しているのが単純な海外売上ではなく、
「この教育を世界の子供たちへ届けたい」
なのであれば、
代表理事本人が日本から教えられる人数を増やすだけではなく、
世界各地に「この教育を届けられる人」を増やす。

こちらの方が、理念と事業の成長を両立させやすくなります。

教育熱が高い国なら売れる、ではない

そして、
今回もう一つ重要な話をしました。

「子供への教育熱が高い国へ進出したい」
という考え方自体は間違っていません。

市場を見る上で重要な情報です。

ただ、
「教育熱が高い国=この教育講座が売れる国」
ではありません。

ここは分けて考える必要があります。

例えば、
子供一人あたりの教育支出が大きな市場があったとします。

一見すると魅力的です。

でも、
その支出の多くが受験教育や
学力向上に集中していたらどうでしょう?

今回の教育プログラムが、
非認知能力や創造性、コミュニケーションなど
別の価値を提供するものだった場合、
その市場の「教育熱」と必ずしも一致しません。

反対に、
市場全体の教育支出だけを見ると目立たなくても、
今回の教育理念に強く共感する保護者層が存在する市場もあり得ます。

さらに競合も見なければいけません。

教育熱が高い市場には、
それだけ多くの教育企業が参入しています。

すでに強いブランドが何社も存在している。

似た教育プログラムが普及している。

広告費が高騰している。

こうなれば、「教育熱が高い」というメリットが、
そのまま参入しやすさにはつながりません。

「どこの国?」より先に見るものがある

海外進出というと、
アメリカなのか。

シンガポールなのか。

台湾なのか。

ヨーロッパなのか。

すぐに国の話になりがちです。

でも今回のケースで見るべきなのは、
国名だけではありません。

この教育の考え方に共感する保護者がいるか。

その教育にお金を払う文化があるか。

現地で一緒に広げてくれる教育事業者がいるか。

講師候補になる人材がいるか。

現地の教育制度や規制と合うか。

価格を設定した時に、
日本本部と現地事業者の双方に利益が残るか。

こうした条件を重ねていくと、
「教育熱が高そうだから、この国」
という選び方とは違う候補が見えてくることがあります。

今回のような事業では、
「どこの国へ行くか?」だけではなく、
「誰と組めば、この教育をその国に根付かせられるか?」
も重要な世界戦略になります。

海外パートナーにも利益が出なければ広がらない

ここは協会ビジネスを
海外展開する際に、かなり重要です。

理念に共感してくれる人を
見つければ終わりではありません。

ビジネスとして成立させる必要があります。

例えば、
現地の教育事業者にプログラムを導入してもらうなら、
導入費はいくらにするのか。

講師養成費はいくらにするのか。

教材費はどうするのか。

認定料を取るのか。

更新料を設定するのか。

ライセンス方式にするのか。

売上に応じたロイヤリティにするのか。

そして、
現地のパートナーには、いくら利益が残るのか。

ここまでつくりあげなければなりません。

日本側だけが利益を取る仕組みでは、
現地のパートナーは本気で広げてくれません。

逆に、
現地側にほとんど任せて日本本部に利益が残らなければ、
世界展開する意味が薄くなります。

日本本部。

現地パートナー。

講師。

受講する子供と保護者。

それぞれに価値がある仕組みをつくる。

ここまでできて、
海外で継続できる事業になります。

「世界の子供たちへ届けたい」を事業にする

今回のミーティングで印象的だったのは、
代表理事の方が単純に、
「海外で講座を売りたい」
という話をしていたわけではないことです。

自分がつくった教育を、
もっと多くの子供たちへ届けたい。

その先に海外がありました。

だからこそ、
世界戦略もその理念から逆算した方がいい。

代表理事本人が日本から海外の子供たちへ
教え続けるだけでは、届けられる人数には限界があります。

一方で、
海外の教育事業者と組む。

現地の講師を育てる。

認定制度をつくる。

その国の先生が、
その国の言葉で、
その国の子供たちに教える。

こうなれば、
届けられる人数は大きく変わります。

そして数年後、
日本で生まれた教育プログラムを、
海外の教室で、
海外の先生が、
海外の子供たちに教えている。

最高ですよね!

「日本の講座を海外で売る」だけではなく、
「日本で生まれた教育を、世界に根付かせる」
そこまで事業を広げることができる。

今回の世界戦略ミーティングでは、
そんな未来まで話が広がりました。

日本で生まれた教育を、世界の子供たちへ

日本には、
まだ世界に知られていない
教育コンテンツや教育メソッドがたくさんあります。

問題は、
それを単純に外国語へ翻訳して海外販売するのか。

それとも、
現地の企業や人と組み、
その国で広がっていく仕組みまでつくるのか。

同じ海外進出でも、
数年後の事業規模はまったく違ってきます。

今回のケースでも、
最初にすることは「国探し」ではありません。

この教育を必要としている人は誰なのか。

誰と組めば、その人たちまで届けられるのか。

その仕組みを、どう事業として成立させるのか。

そこから世界戦略を組み立てていきます。

日本で生まれた教育を、
世界の子供たちへ。

また一つ、
楽しみな世界戦略が始まりそうです。